慶応卒、50代で早期リタイヤしアメリカ移住したヒロキから見る世界。

トランプで自動車業界はどうなる?日本でアメリカ車が増える?批判は正しい?

トランプ

トランプ大統領で日本の自動車業界はどうなる?

トランプ大統領就任から矢継ぎ早に大統領令を出して、アメリカ国内のみならず世界中を困惑させています。

 

何か深い考えがあってやっているのか、それとも思いつきなのか?

 

米国のように超大国では、優秀な政治家・官僚が多数いるでしょうから、大統領のみがちょっと暴走気味な人になっても、周りが止めるかと思っていましたが、今のところ、完全にトランプに振り回されているようですね。

 

日本の自動車産業も、安心していいのか、それとも今後大きな影響を受けてくるのか、いまのところよくわかりません。

 

トランプ氏は自身が大統領に当選した直後に、海外に工場を移転しようとしている米国内企業を名指しで批判しました。

 

それを受けて、メキシコに工場を移転するはずだったアメリカのフォードが、一転移転を撤回しました。

 

トランプ自動車工場

 

またトヨタも名指しで批判された企業の一つで、一気に為替が円安に動く原因にもなりました。

 

実際はトヨタには、米国の工場をメキシコに移転させる計画はもともとなく、トランプ大統領の勘違いだったので、それ以上のトヨタへの批判はなくなりました。

 

日米貿易摩擦の再燃が懸念されていた2月に、日米首脳会談が開催されました。「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領なので、どうなることかと心配されていました。

 

おそらく安倍首相が、年金資金を使ったアメリカへの巨額の投資案件という手土産を持っていったおかげか、トランプ大統領から日米貿易赤字問題やドル円の為替レートについての直接の言及はありませんでした。

トランプ安倍

 

このまま、安泰な日米関係が続かに思われましたが、やはり「アメリカ・ファースト」なのでしょう、ここにきて、トランプ政権の通商担当の高官から「日本には高い非関税障壁がある」との発言が飛び出してきました。

 

「非関税障壁」なので、輸出入に係る貿易関税ではなく、日本国内の規制や市場への商慣習等による参入障壁に問題がある!というのがアメリカの主張です。

 

ではもし本当にこれが貿易摩擦となり、何らかの対応を迫れれた場合には、日本の自動車業界にはどんな影響があるのでしょうか?

 

ヒントは、1981年にありました。

 

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トランプでアメリカ車が日本で増える?

この日本の自動車業界とアメリカの自動車業界との間の貿易摩擦は、1980年ころに一度大問題となりました。

トランプ自動車貿易摩擦

 

当時は日本がまだ高成長を続けていた時期で、自動車輸出を含めた日本の対米貿易黒字が急増していた時期でした。

 

それとは反対に、米国のフォードやクライスラーなどの自動車産業は衰退の道を歩み出しており、何もしなければさらに貿易黒字が拡大し、アメリカ国内では失業が増え、政治問題となっていました。

 

この当時から日本は米国からの完成車の輸入はゼロ関税だったので、「非関税障壁」が問題だとアメリカから攻められることになります。

 

そして、取られた措置が、

 

1.アメリカ車を日本に輸入する時の、規格・基準の規制の緩和

 

2.輸入制限の撤廃。完成車は関税ゼロでしたがまだ自動車部品については関税がかかっていたので。

 

3.日本がアメリカで投資すること。(日本車をアメリカで生産して米国民の雇用を増やす。)

 

これらは実施はされましたが、即効性のある政策ではなかったので、最終的にはアメリカが、数量制限を求めてくることとなりました。

 

1980年の182万台という実績から14万台(7.7%)削減した販売台数を輸出枠として、日本側が設定しました。

 

結果的には、一時的には日本車の対米輸出を抑えることになり、その分、米国自動車メーカーの雇用増にはつながったと思われます。

 

しかし、もう一方の目的であった、アメリカ車の販売を日本で増やす方は、一切成果が上がることはありませんでした。

 

さて、今回の自動車貿易摩擦では、どんな対策を日本に求めてくるのでしょうか?

 

噂されているのは、1981年当時と同じ数量制限を課してくるのでは?というものです。

 

確かにアメリカに出回る日本車の数を制限してしまえば、その分は日本車以外の販売につながるはずですから。(アメリカ車に流れるとも限りませんが)

 

2016年度でトヨタは米国内で245万台のクルマを販売し、シェアは約14%となっています。

 

トヨタは全世界では、グループ全体で約1000万台を販売しています。米国での245万台は世界シェアの25%くらいに辺り、決して小さくはありません。

 

しかし、全面的に米国内での販売が規制されるわけではないでしょうから、影響は軽微なものに留まるのではないでしょうか。

トランプ自動車業界

 

たとえば、1981年を上回る10%の削減を求められたとしても、約25万台の販売減ですから、世界販売台数で見れば、2~3%くらいです。

 

日本の政府の方針次第だとは思いますが、トランプ大統領からの「非関税障壁」による貿易摩擦の指摘に、どう対処していくのでしょうかね。

 

仮に数量制限を受けた場合には、一番の被害者はアメリカ国民ではないかと思います。

 

確かにクライスラー、GMなどの雇用は若干増えるかもしれませんが、もともと日本車を買いたい人にとっては、値段が上がったり納車に時間がかかったりと、いいことはありませんから。

 

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トランプの批判は的外れ?

日本の多くのメディアがすでに報じているように、トランプ政権からの自動車貿易摩擦の指摘は、正しくないと考えています。

トランプ大統領

 

現在、日本はアメリカからクルマを輸入する時の関税はゼロ。しかし、日本からアメリカに輸出するときは2.5%関税が掛けられています。

 

これは、アメリカの自動車メーカーを守るためであり、逆に言えば守らなければ経営が成り立たない可能性があるということです。

 

すなわち、米国内においてさえも、アメリカ自動車メーカーの性能やマーケティング戦略が競争力を失っている、ということの現れでもあります。

 

翻って、そんなアメリカ車のクルマが日本で売れるようになるかといえば、1981年のときと同様に、やはりかなり厳しい結果になると考えられます。

 

為替レートをドル安円高にしてアメリカ車の価格を日本人にとって安くし、販売につなげるという対策もトランプ政権としては考えているかもしれません。

 

でも、10%~20%安くなったからといって、アメリカ車の販売が大幅に伸びるとも考えられませんし、まして日本では車離れが叫ばれて久しいので、もともと需要も伸びていませんからね。

 

さてどんな落とし所になることやら。

 

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