多くの情報で溢れかえる今の世の中、目にしたものをそのまま信じてしまいがち。でも常に自分なりに解釈していくことが必要なんではないでしょうか。

豊洲市場の赤字はなぜ100億円?税金で負担?白紙撤回で中止か?

豊洲市場

豊洲市場に移転すると毎年100億円の赤字!

よく公共投資で『箱物』投資が問題としてあげられます。

 

これは、体育館やコンサートホールなど『箱物』を集客の目玉として建設するのですが、いつしか経費がかさんで赤字運営になって、地方自治体の財政を苦しめる結果になってしまう問題です。

 

まさか、それと同じことが豊洲市場で起きるとは夢にも思っていませんでした。

豊洲市場

 

東京都が豊洲市場に移転した場合の年間収支予想を発表しました。

 

結果はなんと!?毎年100億円の赤字!!

 

これは、温度管理等の施設維持費用76億円(年間)を含めた総年間経費が166億円。

 

コレに対して業者から受け取る施設使用料などの収入が68億円にとどまるため、年間約100億円の赤字になるというもの。

 

しかし、東京都の補足説明としては、総年間経費の中には、実際の現金の支出を伴わない、施設の減価償却費も含まれており、それを除けば年間約27億円の赤字にとどまる、とのこと。

 

もうびっくりして驚きしか出ません。

 

私のビックリポイントは次の2つです。

 

1.なぜ今ごろになって年間100億円もの赤字になる試算が出てきたのか?もともとの計画はどうだったのか?なぜこんな大きな見積金額に違いが出てくるのか?

 

2.『減価償却費を入れなければ27億円の赤字ですむ』
この発想がさすがお役人ですよね。「減価償却」=「将来の建物の老朽化に伴う費用」なわけで、お金が無ければ改修工事もまた税金で投入しなければならなくなってします。

 

もっと身近な例でいえば、修繕積立金を考慮していないマンションの管理組合のようなもの。

 

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豊洲市場の赤字は税金で?

ではこのまま豊洲市場が移転したとして、年間100億円の赤字を誰が負担していくのか?

赤字イメージ

 

豊洲市場は東京都が運営しています。

 

その他の卸売市場、たとえば食肉市場、太田花卉果物市場などとともに、『市場会計』として独立採算を原則とする公益企業会計で運営されています。

 

昭和42年以降この『市場会計』は営業収支は、市場使用料の減少により、赤字で推移しています。

築地市場

 

経常収支では平成12年以降はかろうじて黒字ですが、累積損がまだ70億円弱ある状態。

 

これに年間100億円の赤字が追加されていくわけですから、普通で考えれば明らかな失敗事業。

 

では、その負担は誰に?

 

運営者が東京都ですから東京都民の地方税に跳ね返って来るのではないでしょうか?

 

幸い東京都の財政は大きく黒字ですが、2020年の東京オリンピックを控えて施設の多額な建築費用が見込まれているので、いつまでも安心はできません。

 

じゃ、業者の施設使用料を値上げしたら?

 

これはかなり難しいのではないでしょうか。使用料の値上げはそのまま魚の卸価格に反映しますから、値段にうるさい消費者を前においそれと値上げはできないはず。

 

現在は、海産物も輸入品がほとんど。なにも豊洲市場に必ず行かなければならないわけではないので、経費が安くて物流網が整っている他の大都市近郊の卸市場に行くのも考えられます。

 

そうすると、業者が減って施設使用料がさらに減少するという悪循環にもなりかねません。

 

現実的には、東京都が税金で補填していくんでしょうね。

 

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豊洲市場は白紙撤回で中止か?

豊洲市場の汚染水問題も再びクローズアップされてきています。

 

過去8回調査して大丈夫だった汚染水濃度が、9回目の検査で大きく跳ね上がりいまだに基準値を大幅に超えている状態だということが、分かりました。

 

当然、土壌改良を含めて追加での投資が必要になります。さらにこの年間100億円の赤字予想ですから、まさしく泣きっ面に蜂状態。

 

もしかしたら、東京都は豊洲市場移転を白紙撤回したくてわざとまとめてネガティブな情報を同じタイミングで発信しているのかもしれません。

 

「さらなる土壌改良にXXXX億円、そして試算上は年間100億円の赤字」

 

計画は前石原都知事のもので、当初計画からを大きく超える費用が見込まれるため、小池都知事として、白紙撤回を宣言する。というシナリオかも。

 

1996年に鈴木元東京都知事の肝いりで開催が計画されていた『世界都市博覧会』を、後任の青島元東京都知事が、白紙撤回するということがありました。

 

この時も、バブルの後遺症で当初計画よりも費用負担が増えることが予想されていたので、撤回を公約にしていた青島元知事が当選後に公約を実行する形で、中止となりました。

 

それまでの投資金額1000億円が無駄になるとの議論になりましたが、結果的には実際に開催した時の赤字予想額よりも少ない金額での撤退となりました。

 

さらにその後の施設維持管理費がかからなかったことを考慮すれば、かなり東京都の財政には貢献したのではないでしょうか。

豊洲市場

 

豊洲市場の場合は、もともとの開業予定が2016年11月だったので、施設の大半はすでに完成しています。よって今からの撤回は難しいのかもしれません。

 

でも、さらに大きな土地改良費用がかかって、なおかつ毎年100億円の赤字予想だとしたら??

 

『世界都市博覧会』とおなじように、思い切った決断をしたほうが後々良かった、なんてことになるかもしれません。

 

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